
業界
:
飲食・食品業界
導入の背景
:
テレワーク普及に伴うランチ環境の変化と、法人向け健康志向デリバリーの需要拡大
ソリューション
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LINEミニアプリを活用した法人向けデリバリー・会員管理システム
成果
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POC段階で売上73%UP・リピート率75%を達成、福利厚生導入企業が拡大中

江崎グリコ株式会社様は、創業以来「食を通じて人々の健康と幸せに貢献する」ことを理念に掲げ、菓子・食品・冷菓・飲料など幅広い分野で事業を展開しています。
近年では新たな事業領域として、法人向けお弁当デリバリーサービス『SUNAO DELIVERY』の実証実験を開始しましたが、その背景には、テレワークの普及によるオフィスランチ環境の変化があります。
外食の機会が減り、自宅やオフィスで健康的な食事を取りたいというニーズが高まる一方で、既存のデリバリーサービスには栄養バランスへの配慮や法人単位での導入の難しさといった課題が残っていました。
長年培ってきた食品開発のノウハウを活かし、健康志向のお弁当を法人の福利厚生として提供する新規事業『SUNAO DELIVERY』を構想しました。
しかし、限られた予算でPOC(概念実証)を進めるには、効率的な注文システムの構築と、ユーザーデータを取得・活用できる仕組みが不可欠でした。
従来の電話注文やWebサイト経由の注文は手間が多く、リピート率の向上も難しい状況。
さらに、顧客データの収集・分析も十分に行えず、サービス改善につながるフィードバックループを築くことが課題となっていました。
こうした新規事業特有の課題を解決し、スピーディに検証を進めるため、江崎グリコ様はLINEミニアプリを活用したデリバリーシステムの導入を決定しました。
『SUNAO DELIVERY』にLINEミニアプリを採用した最大の理由は、新規事業のPOCに適した費用対効果とスピード感です。ネイティブアプリの開発と比べ、初期投資を大幅に抑えながら、わずか4〜5ヶ月でサービスを立ち上げられる点が大きな魅力となりました。
加えて、9,900万人以上が日常的に利用するLINEを基盤とすることで、専用アプリのダウンロードを不要にし、導入のハードルを低減。法人の従業員は「QRコードを読み取って会員登録、そこから注文まで約30秒」で完結できるシンプルな体験を実現しています。
UZ APPSのプラットフォームでは、注文機能に加えて会員証やデリバリー管理などの機能を統合的に提供しています。法人単位で配達エリアや注文可能時間を設定できるため、福利厚生として柔軟に運用することが可能です。
さらに、POC段階では外部連携を最小限に抑え、LINEミニアプリ単体で完結するシンプルな構成を採用したことにより、開発コストの最適化と検証スピードの両立を実現しました。
『SUNAO DELIVERY』のLINEミニアプリには、法人向けサービスに特化した機能が実装されています。
法人の従業員は配布されたQRコードをLINEで読み取るだけで会員登録が完了。面倒な入力を最小限に抑え、約30 秒で注文可能な手軽さを実現しました。
このスピード感が高い初回利用率につながっています。

注文後は製造拠点から法人オフィスへ効率的にデリバリー。配送状況をLINE上でリアルタイム通知することで、受け取りのタイミングを調整しやすくしています。
配送エリアや時間帯は法人ごとにカスタマイズ可能で、柔軟な運用が可能です。
LINE上で発行されるデジタル会員証により、法人別の利用状況や注文履歴を一元管理。
部署単位での利用傾向を可視化し、サービス改善や営業戦略に活用できるデータ基盤を整備しました。
過去の注文履歴からワンタップで再注文できる機能を搭載。
「いつものメニュー」をすぐに注文できる利便性が、リピート率の向上に大きく寄与しています。
LINEミニアプリ導入によって、『SUNAO DELIVERY』はPOCフェーズで顕著な成果を上げました。
POC開始後、注文数は当初の想定の2 倍に達し、売上は73%増加。
初期目標を大幅に上回る結果となり、QRコードからの簡単な注文体験が想定以上の利用促進につながりました。
最も大きな成果はリピート率75%。一度利用した顧客の4分の3が再注文しており、商品の品質とLINEミニアプリの利便性が高く評価された結果です。
再注文導線の最適化やLINEでのタイムリーな情報配信が、継続利用を後押ししています。
大手企業を中心に福利厚生として採用が進み、会員数は順調に増加。
QRコード登録による手軽な導入が、利用拡大を支えています。
注文データを分析することで、人気メニューや注文時間帯の傾向を可視化。
これをもとにメニュー開発や配送効率化を進め、サービス品質を継続的に改善しています。
POCの成功を受け、製造拠点を段階的に拡大中。
配送エリアを広げながら、新たな法人への導入も進行しています。
現在、江崎グリコはPOCで得られた成果をもとに、『SUNAO DELIVERY』の本格展開を視野に入れ、製造拠点と配送エリアの拡張を段階的に進め、安定した運用体制を構築中です。
今後は、AIによるメニューレコメンド機能や、個人嗜好に合わせたパーソナライズ配信の実装を検討。法人向け管理画面の拡充やサブスクリプション型定期配送プランの導入など、さらなる付加価値向上を目指しています。
LINEミニアプリを活用したデリバリーシステムは、新規事業立ち上げにおいて低コスト・短期間で顧客接点を構築し、データドリブンな検証を可能にする有効な手段です。
『SUNAO DELIVERY』の取り組みは、食品メーカーがテクノロジーを活用して新たな価値を創造する好例として、多くの企業に示唆を与えています。